ゼニス・キャピタル・パートナーズ株式会社

私が生まれ育った田舎では、どこにいても山や森の濃い土や草木の匂いがしていた記憶があります。当時の実家のまわりには高い建物も少なく、たくさんの自然に囲まれてシンプルだけど豊かな暮らしを気に入っていました。一方で、故郷を離れて上京してからは、コンクリートやアスファルトに囲まれた生活が当たり前になり、最初の頃は合理性や機能性ばかりが優先された場所に窮屈さや戸惑いを感じていました。 しかし、都市にもその土地に根差す歴史や風習の名残があり、それらに惹かれて集う人々の生活様式を受け入れつつ、時の経過とともに変化を続ける都市生活にも魅力を感じるようになりました。

私は「都市」と「地方」のどちらの生活も経験してきたのですが、都市には都市の楽しさや面白さがあり、地方には地方ならではの面白さを発見したりしています。 どちらの方がいいのかと考えたりもしたのですが、どちらの方がいいと決めつけるのではなく、このハイブリッドな感覚に慣れて楽しむ方が幸せだと考えるようになりました。土地には私たちが生まれる遥か昔からそれぞれに役割があり、その役割を果たしてきた結果として今の形があるのだと思います。 それぞれの土地の持つ記憶を大切にしながら、その土地に新たな人々が集うことで作り出される変化に私たちがうまく溶け込み、馴染み、そして慣れていくこと。これこそが、人と不動産のうつくしい関係と言えるのではないでしょうか。

これだけ様々な記憶を受け継ぎ、さらに、時の経過とともに取り巻く環境が変化し続ける土地には、個別性が強いがゆえに、人々との間で問題が起こることや、その場所にふさわしくないものになっていくことが多々あります。 私たちは、これまで培ってきた理論と実践に基づく経験を活かして、分かりやすく解決方法を説明できるように心掛け、そこに暮らし、そこに集う人々と不動産のうつくしい関係を追求し次の世代へ引き継いでいきたいと思います。